「きよしこ」の感想

きよしこ
重松 清

きよしこ (新潮文庫)

あらすじ(裏表紙原文そのまま)
少年は、ひとりぼっちだった。名前はきよし。どこにでもいる少年。転校生。言いたいことがいつも言えずに、悔しかった。思ったことを何でも話せる友だちが欲しかった。そんな友だちは夢の中の世界にしかいないことを知っていたけど。ある年の聖夜に出会ったふしぎな「きよしこ」は少年に言った。伝わるよ、きっと―。大切なことを言えなかったすべての人に捧げたい珠玉の少年小説。

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この本を読むまで吃音というものを知りませんでした。
ですのでwikipediaを見てみました。
結構量が多いので、今度じっくり読みますが、成人で約1%、5歳くらいの子供で5%くらいと結構多いのですね。
発症のきっかけとして、ストレスや親の厳格な躾などがあるそうで、自分が親になったときはできるだけ子供目線で育てていきたいです。

さて「きよしこ」なのですが、これは作者の重松清さん自身が吃音症を持つ人のようで、本の始まりに自身をもとにしたお話と書いてあります。
きよし少年は小学1年生の頃から吃音による悔しさからなのか、自分自身の心をよく見ていて、その分大人だったんだろうか?
また、今まで何冊か重松さんの作品を読んで、どの本も「人とのつながり」を大事にしている印象があるけれども、小さい頃からの体験があるからなのでしょうか?

おそらく・・・小説の一部分は小学校か中学校の道徳の教科書に使われていそう(けなしているわけではなく、ほめ言葉)。

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「哀愁的東京」の感想

哀愁的東京
重松 清

哀愁的東京 (角川文庫)

あらすじ
新作を描けなくなった絵本作家、僕「新藤宏」はフリーライターとして生活していた。
その仕事を通してさまざまな境遇の人に出会い、そしてそこにある何かをスケッチしていく。

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前9章からなる小説で各章にいろいろな境遇をもつ人が現れます。
・経営破たん寸前の企業家
・もうすぐ閉園する遊園地で働くピエロ
・ピークを過ぎたアイドル
・売り上げを落とした編集長
・昭和の時代は売れていた作曲家
・売れずに夢を挫折することになったマジシャン
・生きる意味失ったエリート企業社員
・50代のSM女王
・結婚するホームレス夫婦

ほとんどの章が、僕が最後に出版した絵本「パパといっしょに」がキーワードのひとつ。
作者である僕は「とびっきり明るいものを描いた」はずなので、出会う人は「寂しい物語」と言う。
それはこの小説の中に答えは書いていないので、勝手に推測すると、「パパといっしょに」が描かれた事情がどこか絵・文となって映っていたからなのだろうか?


まあ、暖かいような寂しいような「哀愁的」という言葉にぴったりな小説かと思います。


名言

僕はいつもそうだ。「無理やり」という部分が、ひとよりも弱い。強引にことを進められるのも、ある種の資質や才能によるのかもしれない。「無理やり」ができないぶん、人間関係でもなんでも、ものごとが一瞬にして破綻してしまうということはない。その代わり、あとになってから、もやもやとしたものがいつまでも胸に残ってしまう。

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「エイジ」の感想

エイジ
重松 清

エイジ (新潮文庫)


あらすじ
ぼくの住んでいる町で通り魔事件が多発していた。
ぼくには関係ないと思っていたら、捕まった犯人は同級生だった。

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主人公のぼく「エイジ」は中学2年生。
文章の中に「今度の土曜日は学校休み」というような記述や、文明の利器「ケータイ電話」を中学生が所持していないところ、書かれた時期等含めて、1990年代後半でしょうね。

通り魔の犯人は同級生だった。
それから、
ぼく・・・通り魔の立場で考える。
ツカっちゃん・・・被害者の立場で考える。
タモツくん・・・世間の立場で考える。
と3人の意見の衝突、考え方がこの小説の読みどころです。
作品から10年近く過ぎていますけど、いわゆる「現代の中学生」が2008年現在にも当てはまっているのではないかな?と思います。
だから、現在中学生の人、教師の人、親になった人にオススメしたい1冊。

中学生が主人公の小説で現代的なもので、今まで読んだことあるものといえば、石田衣良さんの作品「4TEEN 」を思い出します。
4TEENは「ちょっと大人な中学生」という内容で、エイジは「子供っぽい理屈を通す中学生」という感じなのかな?
ま、作者が違うから比べても仕方ないけれど。
そのうち4TEENを読み直して感想書きます。


1990年代後半、その当時私は高校生で、世間をにぎわせたニュースで、通り魔とか殺人と言われて思い浮かぶものといえば、地元で起こった「桶川ストーカー殺人事件」ですね。
犯人は知らない人ですが、被害者となった人は私の通っていた中学の先輩(お会いしたことはありませんが)でしたからね。
だから、私は被害者の立場で考える「ツカっちゃん」の気持ちがなんとなく分かります。

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「ダイスをころがせ」の感想

ダイスをころがせ
真保 裕一

ダイスをころがせ!〈上〉 (新潮文庫)

あらすじ
職を失い家族と別居中の健一郎は、ハローワークに通っていた。
そんなときに、高校の時のライバル達彦が現れ、「選挙に立候補するから一緒に戦ってほしい」と頼まれる。
無所属でお金がない状態で選挙を戦う、そんなお話。

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小説の中で小渕総理が亡くなるシーンがあることから、時代背景は1999年~2000年のお話。
衆議院議員に立候補するには何が必要なのか、細かい描写があるけれどもそれはまったく苦にならない。
それどころか、まったく政治に興味を持っていない自分が恥ずかしくなるくらい、一票の重みの大切さをこの小説では教えてくれます。
だから、選挙には行かないとね。

麻生総理内閣となった現在、議員の総解散は目前となっているようですね。
そして、選挙の論点は「経済をどうするか?」が反映されてくると思います。
もちろん、経済をどうするのかは大事ですけど、目先の利益やその場しのぎの政策ではなく、数年先を考えた信頼できそうな人に投票しに行こうと決めました。

とってもオススメの一冊。


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「人を殺す、という仕事」の感想

人を殺す、という仕事
大石圭

人を殺す、という仕事―文庫書下ろし/長編ホラー小説 (光文社文庫 (お39-3))

あらすじ(文庫本表紙裏原文そのまま)
僕のもとにある日届き始めた一通の手紙。そこに書かれた指示に従うことで、僕の人生は驚くほど順調だった。手紙のお陰で、今後も幸福な人生が続くと信じていた。それが「殺人」を命じるまでは。従わなかった結果--母が死んだ。次は妻や娘たちの番だというのだ。あどけない少女、臨月の妊婦・・・・・・僕は次々と手を血に染めていく。邪悪で美しい、傑作「暗黒小説」!

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ホラー小説です。


「人を殺す、という仕事」と書いてあるのだから、人を殺しているわけなんですけど、その動機っていうのがいまいちでした。
いや、自分の妻・娘が人質になっていて、それと引き換えというのはわかるのですが、その大元となっているもの、つまり手紙をだしている方の動機ですね。
手塚治虫さんのなんかの作品にありそうな、ハリウッドか何かの映画で何度か使われていそうなネタが動機なようで、ちょっとがっかりな気がします。

ですけど、家族との明るいシーンと、どす黒い殺人シーンがいったりきたりするところのメリハリはいいですね。
この小説でいいところはそこですかね。

あとがきは・・・「人を殺すという仕事がしたいのは、僕自身なのかもしれない」と堂々と書いてあるのがすごいです。
私は「人を殺したい」と思ったとしても堂々といえないもんなぁ。
言論の自由がある国とはいえ。

あと、何かきっかけで「人を殺したい」と思ったそこのあなた。
この本では人殺しの参考にはならないと思います。


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